サイドレイズと姿勢

僧帽筋に入らないサイドレイズのやり方とは?トレーニング中の姿勢の取り方について

はじめに

本記事に辿り着いた方の中には、サイドレイズを行う上で以下のような悩みをお持ちではないでしょうか?

サイドレイズで三角筋を鍛えているはずなのに、三角筋ではなく首と肩の間にある筋肉(僧帽筋)に筋肉痛が出てしまう。

トレーニングを継続して行っているのに、肩幅が広くなるどころが僧帽筋が発達して、なで肩の体型が強調されてしまう。

肩がすくまないように注意して行っているはずが、何故かトレーニングの翌日には僧帽筋に筋肉痛が出てしまっている。

上記のような現象が起こるのは、僧帽筋に収縮が入るやり方でサイドレイズを行っているからであり、その状態に陥る原因には「姿勢の取り方」に問題があるからだと考えられます。

そこで本記事では、僧帽筋に収縮が入りにくいサイドレイズの具体的な方法について、「姿勢の取り方」にポイントを絞って解説していきます。

本記事を読んでいただくと、サイドレイズを行うにあたってどのような姿勢をとれば僧帽筋に収縮が入りにくくなるのかが分かります。

フォームを正す上で押さえるべきポイントとは?

トレーニングを行うにあたって各種目の対象筋に集中して負荷を与えるためには、それ以外の筋肉の関与を最小限に抑える必要があります。

↑↑↑これはサイドレイズにも言えることであり、トレーニングの対象筋となる三角筋中部線維を効率よく鍛えるためには、それ以外の筋肉、特に僧帽筋上部線維の収縮が入るのを抑えなければなりません。

↑↑↑しかし、ダンベルを持ち上げる時に肩がすくんでしまう(肩甲骨が上に上がる)と、この運動に作用する僧帽筋上部線維が強く収縮してしまうため、対象筋以外の筋肉を大いに使うこととなり、トレーニング効率は悪くなってしまいます。

だからサイドレイズでは、肩がすくまないように注意する必要があるのです。

肩がすくむと他にどんなデメリットがあるのかは、以下の記事で解説しています。

サイドレイズで肩をすくませることのデメリットとは?肩の可動域不足について

https://side-raise.com/shoulder-range-of-motion-deficiency/

サイドレイズで肩をすくませることのデメリットとは?肥大する僧帽筋について

https://side-raise.com/about-enlarged-trapezius-muscles/

 

なぜ姿勢の取り方が大事なのか?

僧帽筋上部線維の収縮が入らないように、肩のすくみに注意することは周知の事実であり、沢山のトレーニーがここを意識してサイドレイズを行っています。

↑↑↑しかし中には、「意識しているはずが、僧帽筋にばかり筋肉痛が出てしまう」といった悩みを持つ方もいるかと思います。

確かに、肩のすくみが出ないようにすることは大切ですが、そのような悩みを持つ方の問題は、肩の動きにしか意識が向いていないところにあると考えられます。

これはどういうことかというと、肩や肩甲骨という部分的な動きだけではなく、身体の姿勢にも意識を向けるべきなのに、それが出来ていないということなのです。

肩甲骨は姿勢の状態によって動き方が変わるものです。

↑↑↑何気なく腕を上げる動作でも、背すじが伸びていくと同時に、それに合わせて肩甲骨も移動していきます。

そう、肩甲骨と身体の姿勢は連動して動いているのです。

↑↑↑つまり、肩甲骨を上げまいと意識していても、姿勢の取り方が悪ければ無意識の内に肩甲骨は上がっていくのです。

だからサイドレイズでは、肩甲骨が上がりにくい姿勢を取り、トレーニング中はその状態を維持することが非常に重要となるのです。

肩甲骨と身体の姿勢との連動については、以下の記事で解説しています。

サイドレイズにおける肩甲骨の位置調整とは?身体の姿勢と肩甲骨の動きの関係について

https://side-raise.com/about-the-relationship-between-body-posture-and-shoulder-blade-movement/

 

どういった姿勢を取るべきなのか?

ここでは姿勢のことを解説するために、「パソコン作業中の姿勢」を例に挙げていきます。

↑↑↑パソコン作業をしていると、背すじが曲がって頭部の位置が下がるような姿勢を取ることが多いと思います。

背すじが曲がっていくと、この姿勢の変化に伴って肩甲骨は上に上がっていき、肩は段々とすくんでいきます。

↑↑↑肩甲骨と首の間の距離が短くなると、肩甲骨と頸椎を結ぶように付着している筋肉(僧帽筋上部線維や肩甲挙筋)は収縮し緊張した状態となります。

筋肉が長時間緊張した状態を維持していると、その筋肉に「ダルさ」や「鈍い痛み」などの感覚を感じるようになり、それが「肩こり」の症状として起こります。

↑↑↑本項で「パソコン作業中の姿勢」を例に挙げたのは、

「背すじが曲がる」⇒「肩甲骨が上に上がる」⇒「僧帽筋が収縮する」

という姿勢不良から起こる一連の流れが、サイドレイズを行っている時にも同じように起こるからです。

そして、この流れを断ち切るためには、上記とは真逆の姿勢を取る必要があります。

そう、それが「背すじを伸ばすこと」です。

↑↑↑背すじを伸ばしていけば肩甲骨は下に下がるように移動するため、僧帽筋上部線維や肩甲挙筋といった、肩甲骨を上に上げる作用を持つ筋肉が収縮することはありません。

「背すじが伸びる」⇒「肩甲骨が下に下がる」⇒「僧帽筋が収縮しづらくなる」

この状態を作ることこそが、肩のすくみと僧帽筋上部線維の収縮を抑制する手段となるのです。

「肩のすくみを抑制する方法」についての詳細は、以下の記事で解説しています。

サイドレイズで肩のすくみを抑える方法とは?相反抑制の活用について

https://side-raise.com/utilization-of-conflict-suppression/

 

スタンディングサイドレイズにおける姿勢の取り方

本項では、最もスタンダードなスタンディングサイドレイズ(立った状態で行うサイドレイズ)を行う上での姿勢について解説していきます。

スタートポジション

↑↑↑足の位置は肩幅程度に広げておきます。

↑↑↑何も意識しない安楽姿勢の状態から、背すじを伸ばして軽く胸を張り、頭部と目線を高い位置に置きます。

↑↑↑肘は軽く曲げておき、手が身体より前の位置になるようにします。

上記の姿勢の取り方で最も意識すべき点は、「背すじを伸ばして胸を軽く張ること」と「頭部と目線を高い位置に置くこと」です。

ここを意識するだけでも、肩甲骨が上に上がりにくい状態を作り出すことが出来ます。

ダンベルの上下運動

↑↑↑姿勢はスタートポジションの状態を保ったままで、腕だけを動かしていきます。

手は常に身体より少し前の位置に置いたまま、ダンベルを肩の高さまで上げていきます。

↑↑↑肩と同じ高さまでダンベルを上げたら、上げた時と同じ軌道を辿ってダンベルを下ろしていきます。

この時に、肩の力は急に抜かずにスピードを調整しながら下ろしていきます。

↑↑↑ダンベルは最後まで下ろし切らず、脇が軽く開いたところで止めておき、肩の筋肉は常に緊張させた状態にしておきます。

そして、再度ダンベルを肩の位置まで上げていき、これらの動作を繰り返していきます。

姿勢の調整に加えて注意すべき点

肩甲骨のポジションに意識を向ける

↑↑↑安楽姿勢の状態から背すじを伸ばして胸を張るようにすると、背中にある肩甲骨は内側に寄っていくように移動します。

↑↑↑そして、そこから更に背すじを伸ばして上腹部を突き出すような姿勢を取ると、今度は肩甲骨が下方にも移動していきます。

↑↑↑このように、背すじを伸ばしていくことで、肩甲骨は僧帽筋上部線維に収縮が入りにくいポジションに移動していきますが、この時に肩甲骨が動く感覚を感じ取ることが出来れば、その操作はより意識的に行えるものとなります。

ですので、姿勢を変えた時に「肩甲骨が動いている感覚がよくわからない」「どの方向に移動したのかわからない」というのであれば、トレーニングに入る前に背すじの曲げ伸ばしを行い、これに連動する肩甲骨の感覚に意識を向ける練習を行うのも良いでしょう。

扱うダンベルの重量を抑える

トレーニング効果を高めるのに必要な要素には、「質的な要素」と「量的な要素」が挙げられます。

↑↑↑具体的にいうと、「質的な要素」は「フォームや姿勢の取り方」であり、「量的な要素」は「扱う重量や回数(レップ数)」のことです。

トレーニング経験が浅い方の場合は、まずは「質的な要素」の見直しを行い、それが上手く出来れば「量的な要素」を段階的に上げていくことが大事だと、執筆者である私は考えています。

しかし、中には「質的な要素」の見直しが不十分な段階で、「量的な要素」ばかりを追求する方もいるかと思います。

↑↑↑サイドレイズは、扱うダンベルの重量が重すぎるとすぐに僧帽筋に収縮が入ってしまうため、重量設定は慎重に行う必要があります。

そのため、僧帽筋に収縮が入りやすいと感じるのであれば、扱うダンベルの重量は1㎏~2㎏程度の低重量に留めておくのが良いでしょう。

正しい姿勢を取って僧帽筋の収縮を抑制させることと、トレーニング中は常に三角筋を緊張させた状態に保つことが出来ていれば、低重量でも三角筋を十分に追い込むことは可能です。

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まとめ

今回は、僧帽筋に効かせないサイドレイズの具体的な方法について解説していきました。

要点をまとめると以下の通りになります。

トレーニングに慣れていない方に、本記事が少しでも参考になれば幸いです。