はじめに
筋トレを誤ったフォームで行うと、効率よく対象の筋肉を鍛えられないばかりか、対象以外の筋肉を過剰に使ってしまうといったことが時に起こってしまいます。
特に、サイドレイズにおいては「肩がすくむ」=「肩甲骨が上に上がる」動作が過剰に入ると、対象筋である三角筋中部線維を鍛える効果が薄れるだけでなく、僧帽筋上部線維を大きく収縮させてしまうというデメリットも生じさせてしまいます。
本記事では、「肩のすくみ」から生じる上記のデメリットについて、図を用いて解説していきたいと思います。
通常のサイドレイズと肩がすくんだサイドレイズの比較
↑↑↑トレーニングに慣れていない方がサイドレイズを行うと、腕を挙げる動作にダンベルの負荷が加わることで、肩が過剰にすくんでしまうことがあります。
↑↑↑通常、フォームが整ったサイドレイズでは、ダンベルを持ち上げた後でも肩の位置は大きく変化しません。
そして、肩の可動域も広く取られているため、ダンベルは水平に近い位置にまで上げられます。
↑↑↑しかし、肩をすくめたサイドレイズでは、ダンベルを持ち上げると同時に肩の位置は上方に移動してしまいます。
また、肩の可動域も狭く、ダンベルが水平の位置まで上がり切っていない場合が多く見受けられます。
肩のすくみにより肥大する僧帽筋上部線維
↑↑↑上腕を側方から挙げる動き(肩関節の外転)に作用する筋肉は三角筋中部線維であり、サイドレイズで鍛えられる対象筋となります。
↑↑↑そして、肩をすくませる動き(肩甲骨の挙上)に作用する筋肉は僧帽筋上部線維や肩甲挙筋が挙げられます。
↑↑↑肩をすくめたサイドレイズでは、肩甲骨の挙上角度が大きいため、僧帽筋上部線維や肩甲挙筋の筋力が強く発揮されます。
↑↑↑しかし、肩関節の外転角度は小さいため、三角筋中部線維の筋力は十分に発揮されなくなります。
↑↑↑つまり、肩をすくめたサイドレイズは、対象筋であるはずの三角筋中部線維よりも、僧帽筋上部線維をメインに鍛えるシュラッグ寄りの運動になってしまうのです。
↑↑↑肩幅を広げるために三角筋中部線維を鍛えるはずが、肩をすくめたサイドレイズを行うことで、首から肩にかけての部位ばかりが発達し、なで肩の体型が強調されてしまいます。
首から肩にかけての部位ではなく、肩自体を大きくして肩幅を広げるためには、肩のすくみを最小限に抑えた状態でサイドレイズを行う必要があるのです。
まとめ
今回は、「肩のすくみ」が入ったサイドレイズでは、三角筋中部線維を鍛える効果が薄れてしまうことや、僧帽筋上部線維を大きく収縮させてしまうといったことについて解説していきました。
内容をまとめると、以下の通りになります。
サイドレイズにおいて「肩のすくみ」が入ることは、非常に多くの弊害を生み出すものなので、本記事を参考にしてフォームを見直して頂けると幸いです。